サマリー
◆米国の主要株価指数は下落局面が続いている。高インフレが続く中で、FRBによる金融引き締めが大掛かりになり、景気を急激に冷やすとの思惑が強まったことが株価下落の背景にある。株式市場は、FRBの金融引き締めに対する前のめりな姿勢や需要抑制に対する意志の強さを受け、先行きの景気後退に身構えているといえる。
◆しかし、景気後退を現時点で確信するのは尚早だろう。主要な経済指標は堅調で景気後退に対しては一定のバッファーがある。FRBのタカ派的な見解が目につきやすい一方で、景気後退懸念をけん制しようとする声も聞こえるようになってきた。インフレに関しても、コアCPIやPCEを中心に減速傾向が見られている。景気変動を増幅させる金融の不安定性に関しても、2000年代初頭のドットコム・バブルや2000年代後半の不動産バブルに代表される過去の過熱時と比べても抑制されている。
◆仮に景気後退に陥るとすれば、上に挙げた安心材料が全面的に覆される、リスクシナリオという位置づけである。例えば、インフレが今後もさらに加速し、利上げが中立金利を大幅に上回るまで行われることや、現時点で認識されていない金融の不安定性が高まることなどが挙げられよう。
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