サマリー
◆米国の主要株価指数は下落局面が続いている。高インフレが続く中で、FRBによる金融引き締めが大掛かりになり、景気を急激に冷やすとの思惑が強まったことが株価下落の背景にある。株式市場は、FRBの金融引き締めに対する前のめりな姿勢や需要抑制に対する意志の強さを受け、先行きの景気後退に身構えているといえる。
◆しかし、景気後退を現時点で確信するのは尚早だろう。主要な経済指標は堅調で景気後退に対しては一定のバッファーがある。FRBのタカ派的な見解が目につきやすい一方で、景気後退懸念をけん制しようとする声も聞こえるようになってきた。インフレに関しても、コアCPIやPCEを中心に減速傾向が見られている。景気変動を増幅させる金融の不安定性に関しても、2000年代初頭のドットコム・バブルや2000年代後半の不動産バブルに代表される過去の過熱時と比べても抑制されている。
◆仮に景気後退に陥るとすれば、上に挙げた安心材料が全面的に覆される、リスクシナリオという位置づけである。例えば、インフレが今後もさらに加速し、利上げが中立金利を大幅に上回るまで行われることや、現時点で認識されていない金融の不安定性が高まることなどが挙げられよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米GDP 前期比年率+3.4%と加速
2026年7-9月期米GDP:内需、特に設備投資が強い
2026年10月30日
-
中間選挙後の注目点②:「変わらない供給制約」
供給制約はAI活用を促すが、米国経済にとって全体最適とは限らない
2026年10月30日
-
FOMC 明確さを待つために様子見
FOMCはインフレ高止まり、景気下振れ、金融面のリスクに直面
2026年10月29日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

