サマリー
◆2022年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率▲1.4%と、2020年4-6月以来のマイナス成長に転じた。しかし、内容は、ネガティブなものではない。下押し要因となったのは純輸出と民間在庫であり、米国経済の屋台骨である個人消費は堅調さを維持し、設備投資は加速した。結果的に、純輸出、民間在庫を除いた実質国内最終需要は同+2.6%と、2021年10-12月期(同+1.7%)から加速している。
◆当面は個人消費や企業活動が堅調さを維持することで、4-6月期の成長率は再びプラス成長へと転じることが見込まれる。輸入に関しては、中国でのロックダウンの影響等もあり、伸び率が縮むことが想定される。もっとも、輸出も中国のロックダウンなどによる世界経済の減速のあおりを受け、伸び悩む可能性が高く、純輸出がヘッドラインを押し下げる可能性は残るだろう。最後に、金融政策に関してであるが、1-3月期はマイナス成長となったわけだが、内需が堅調な中でFRBの金融引き締めの妨げにはならないだろう。むしろ、PCEやコアPCEが約40年ぶりの高い伸びとなっている中で、インフレ加速対策が最優先課題であることに変わりはないといえる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国経済見通し 景気下振れの懸念強まる
雇用環境が悪化傾向を示す中、屋台骨の個人消費は楽観しづらい
2025年08月22日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
GENIUS法、銀行とステーブルコインの邂逅
ステーブルコインは支払決済手段として普及するのか?
2025年08月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日