サマリー
◆2021年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+6.9%と前期から大きく加速した。需要項目別に見ると、最大のけん引役となったのは民間在庫であった。主要項目のうち、個人消費は堅調も、設備投資や住宅投資はやや冴えない。結果、純輸出と民間在庫を除いた実質国内最終需要は同+1.9%と、7-9月期(同+1.3%)から大きくは伸びておらず、実質GDP成長率についても割り引いて評価する必要があるだろう。もっとも、供給不足が設備投資や住宅投資のボトルネックとなったことを踏まえれば、民間在庫の伸びが加速したこと自体はポジティブな要素といえる。
◆先行きに関しては、新型コロナウイルスの感染状況の悪化によって2022年1-3月期は成長率が再び減速するも、景気への悪影響は短期間で収まり、4-6月期には成長率の再加速が期待される。しかし、FRBはインフレ加速に対応すべく金融政策も正常化を進めており、金融環境の引き締めによる需要の抑制が想定される。財政によるサポートも見込みにくい中で、4-6月期の景気の回復ペースに過度な期待は禁物だろう。
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