サマリー
◆米国では2021年2~3月には大型の経済対策を背景にタームプレミアム主導で金利上昇ペースが加速し、最近は供給制約に起因したインフレ懸念が高まっている。本稿では米国におけるインフレへの各種波及経路を整理した上で、インフレ進行のリスクを評価する。
◆メインシナリオとしては、コロナショックに伴い急低下した労働参加率が回復することで労働需給が緩和に向かうことや、供給制約が解消されることで、インフレは徐々に沈静化に向かうとみている。一方、労働参加率の回復の遅延や供給制約の長期化といったリスクシナリオが実現すれば、インフレが一段と進行し、長期金利の上昇圧力として作用する可能性がある。
◆過去の米長期金利の上昇期には、新興国と先進国の成長率格差が縮小していた。金利上昇場面では、高リスク資産からの資金流出などを背景に、相対的に新興国経済が出遅れる傾向にある。コロナ禍で新興国でも債務リスクが高まる中、直近ではトルコの状況がアジア危機時に近くなっており、注意が必要となろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2021年4月展望レポートのポイント
新たに公表された23年度見通しでも2%の物価安定目標には届かず
2021年04月28日
-
米長期金利の上昇は、日本にとって良いサイン
2021年04月20日
-
過剰債務はコロナ後の世界の課題に
当面のリスクは限定的だが、低金利環境の変化には注意が必要
2021年02月24日
-
コロナ禍による過剰債務リスク
民間債務・政府債務の信用リスクと経済成長への懸念を検証
2020年05月26日
-
導入から8年を迎えた量的・質的金融緩和
財政と金融の関係が今後の焦点
2021年04月05日
同じカテゴリの最新レポート
-
ウォーシュ公聴会から読み解く利下げの行方
当面は様子見、生産性上昇とバランスシート縮小で利下げ余地を拡大
2026年04月24日
-
米銀資本規制の見直し案、大幅な規制緩和へ
住宅ローン・中小企業向け融資の促進、FRTBは「資本フロア」なし
2026年04月24日
-
米国経済見通し 消費維持に必要な雇用者数は?
現状の雇用者数の伸びでは消費に緩やかな下押し圧力が生じやすい
2026年04月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

