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米国のインフレ進行懸念と長期金利上昇リスク

インフレ過熱は短期的な現象で、中長期的には2%に収束する見込み

2021年05月31日

経済調査部 エコノミスト 久後 翔太郎

経済調査部 シニアエコノミスト 佐藤 光

経済調査部 主任研究員 山崎 政昌

経済調査部 エコノミスト 鈴木 雄大郎

サマリー

◆米国では2021年2~3月には大型の経済対策を背景にタームプレミアム主導で金利上昇ペースが加速し、最近は供給制約に起因したインフレ懸念が高まっている。本稿では米国におけるインフレへの各種波及経路を整理した上で、インフレ進行のリスクを評価する。

◆メインシナリオとしては、コロナショックに伴い急低下した労働参加率が回復することで労働需給が緩和に向かうことや、供給制約が解消されることで、インフレは徐々に沈静化に向かうとみている。一方、労働参加率の回復の遅延や供給制約の長期化といったリスクシナリオが実現すれば、インフレが一段と進行し、長期金利の上昇圧力として作用する可能性がある。

◆過去の米長期金利の上昇期には、新興国と先進国の成長率格差が縮小していた。金利上昇場面では、高リスク資産からの資金流出などを背景に、相対的に新興国経済が出遅れる傾向にある。コロナ禍で新興国でも債務リスクが高まる中、直近ではトルコの状況がアジア危機時に近くなっており、注意が必要となろう。

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