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米国経済見通し 感染収束せずとも進むリオープン

感染状況の差異と政治の季節到来が追加支援の妨げに

2020年05月22日

ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 矢作 大祐

サマリー

◆4月後半以降、米国では多くの州・地域で自宅待機要請・指示が緩和され、経済活動の再開(リオープン)が進んでいる。ただし、新型コロナウイルス新規感染者数は依然多く、すぐに感染収束が見込める状況にはない。感染が収束しない中でもリオープンに踏み切ったのは、経済活動の停止に伴う悪影響が無視できないほど深刻であることが考えられる。

◆感染が再拡大してしまえば元も子もないことから、リオープンは慎重さを要する。拙速なリオープンを避ける結果、より緩やかな景気回復を想定せざるを得ない。こうした中、企業・家計を支えるための追加支援が検討されている。5月15日には、民主党が主導し、下院では追加支援策(HEROES Act)が可決された。内容は地方政府の支援に加え、家計への現金再給付や企業向けのPPPローンの再拡充など、補償を手厚くするものである。今後は上院での議論・採決に移ることになる。

◆しかし、HEROES Actが成立する見込みは立っていない。民主党は手厚い補償を志向するも、上院多数派の共和党は更なるリオープンやペイロールタックスの減税に積極的といえる。加えて、大統領・議会選挙を半年後に控え、超党派での協力がしにくくなる選挙モードが加速していくことも想定される。感染拡大の収束やリオープンの推進に関する不確実性に加えて、更なる追加支援を巡っては見通しが付きにくいことも、米国経済の先行きを左右するリスク要因の一つとして留意すべきだろう。

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