米雇用者の伸びは前月比+2.0万人に急減速

2019年2月米雇用統計:一方、失業率は改善、賃金は加速し一長一短

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2019年03月11日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2019年2月の非農業部門雇用者数は前月差+2.0万人と、ハリケーン被害によって下振れした2017年9月以来の小幅な増加に留まり、市場予想(Bloomberg調査:同+18.0万人)を大きく下回るネガティブな結果であった。

◆一方、家計調査による2月の失業率は、前月差▲0.2%ptの3.8%と、市場予想(3.9%)よりも良好な結果となった。失業率の内訳を見ると、就業者数が前月差+25.5万人と増加したことが、失業率の押し下げに寄与した。1月に政府閉鎖によって失業者としてカウントされていた政府職員などが、政府閉鎖の解除に伴って再び就業者となったことが就業者数の押し上げに寄与したとみられる。

◆2月の民間部門の平均時給は前月比+0.4%と、前月の同+0.1%から加速し、市場予想(同+0.3%)を上回った。また、前年比ベースの変化率は、前年比+3.4%と直近のピークである同+3.3%を上回り、2009年4月以来の高さとなった。労働需給のひっ迫が続く中、賃金上昇ペースの着実な加速が確認されたと言える。

◆今回の雇用統計では、景気動向に敏感な雇用者数の伸びが急減速しており、米国経済の減速懸念を高める結果であった。ただし、雇用の大宗を占める非製造業のマインドは高い水準を維持しており、サービス部門を中心とした雇用者数の増加は、先行きも継続すると見込む。

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