サマリー
◆2018年9月の非農業部門雇用者数は前月差+13.4万人となり、市場予想(Bloomberg調査:同+18.5万人)を下回った。9月の減速は、高い伸びとなった8月からの反動に加えて、9月14日にノースカロライナ州に上陸したハリケーン・フローレンスが影響した可能性があり市場予想からの下振れを悲観視する必要はないだろう。
◆家計調査による9月の失業率は、前月差▲0.2%pt低下の3.7%と1969年12月以来の低水準を記録し、市場予想(3.8%)を下回った。失業者数は2000年12月以来初めて600万人を割り込み、労働需給は引き続き非常にひっ迫した状態にある。
◆9月の民間部門の平均時給は、前年比+2.8%となり市場予想通りの結果であった。賃金は安定的な上昇が続いていると言えるが、失業率の低下傾向が続いていることに照らすと、上昇ペースがなかなか高まらない状況が続いている。
◆貿易戦争による悪影響などは引き続き懸念材料と考えられるが、税制改革の効果による下支えもあり、雇用者数の増加基調は先行きも続く可能性が高いだろう。だが、人手不足がボトルネックとなって、今後、増加ペースは鈍化することが見込まれる。
◆労働需給のひっ迫した状況が今後も続くとすれば、賃金については引き続き上昇圧力がかかることになろう。ただし、労働参加率の低さや生産性の伸び悩みなどの構造的な要因が、今後も賃金上昇を抑制するとみられる。また、労働力を確保するために、賃金以外の福利厚生を拡充する企業が増えていることも指摘されており、賃金上昇率については今後も緩やかなペースで加速していくと見込む。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国:停戦合意後も残る景気悪化リスク
原油高×金融リスクの増幅=フィナンシャル・アクセラレーター
2026年04月09日
-
非農業部門雇用者数は前月差+17.8万人
2026年3月米雇用統計:特殊要因のはく落による反動増
2026年04月06日
-
米国経済見通し 原油高への耐久目途は?
景気の下振れリスク抑制=5月、大幅悪化リスク抑制=10月
2026年03月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

