米失業率は3.7%と歴史的低水準に

2018年9月米雇用統計:ハリケーンの影響もあり雇用増ペースは鈍化

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2018年10月09日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2018年9月の非農業部門雇用者数は前月差+13.4万人となり、市場予想(Bloomberg調査:同+18.5万人)を下回った。9月の減速は、高い伸びとなった8月からの反動に加えて、9月14日にノースカロライナ州に上陸したハリケーン・フローレンスが影響した可能性があり市場予想からの下振れを悲観視する必要はないだろう。

◆家計調査による9月の失業率は、前月差▲0.2%pt低下の3.7%と1969年12月以来の低水準を記録し、市場予想(3.8%)を下回った。失業者数は2000年12月以来初めて600万人を割り込み、労働需給は引き続き非常にひっ迫した状態にある。

◆9月の民間部門の平均時給は、前年比+2.8%となり市場予想通りの結果であった。賃金は安定的な上昇が続いていると言えるが、失業率の低下傾向が続いていることに照らすと、上昇ペースがなかなか高まらない状況が続いている。

◆貿易戦争による悪影響などは引き続き懸念材料と考えられるが、税制改革の効果による下支えもあり、雇用者数の増加基調は先行きも続く可能性が高いだろう。だが、人手不足がボトルネックとなって、今後、増加ペースは鈍化することが見込まれる。

◆労働需給のひっ迫した状況が今後も続くとすれば、賃金については引き続き上昇圧力がかかることになろう。ただし、労働参加率の低さや生産性の伸び悩みなどの構造的な要因が、今後も賃金上昇を抑制するとみられる。また、労働力を確保するために、賃金以外の福利厚生を拡充する企業が増えていることも指摘されており、賃金上昇率については今後も緩やかなペースで加速していくと見込む。

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