サマリー
◆2018年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.3%となり、市場予想(Bloomberg調査:同+2.0%)を上回ったものの、前期から成長率が鈍化する結果となった。減速の主因は、個人消費が同+1.1%と2013年4-6月期以来の低い伸びに留まったことである。
◆実質GDPから純輸出、民間在庫を除いた実質国内最終需要は前期比年率+1.6%と2016年1-3月期以来の低成長となり、実質GDPよりも減速感が強い。今回GDPの押し上げに寄与した民間在庫の増加は、国内最終需要の減速と併せて考えると必ずしもポジティブに評価できるものではなく、実質GDP成長率は割り引いて評価する必要があろう。
◆4-6月期には個人消費が再加速し、GDP全体でも伸びが高まると見込む。税制改革による減税の恩恵が本格化するのは4-6月期からとみられており、家計の可処分所得を押し上げることが見込まれる。今回の個人消費の減速は前期からの反動とみられ、4-6月期以降は所得増加に見合ったペースでの個人消費の拡大が続くことになろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国経済見通し 関税政策はマイルド化へ
トランプ大統領に対する世論と共和党内の不満の高まりが抑止力に
2025年11月25日
-
政府閉鎖前の雇用環境は緩やかな悪化が継続
2025年9月米雇用統計:雇用者数は増加に転じるも、回復は緩やか
2025年11月21日
-
統計公表停止中、米雇用環境に変化はあるか
足元は悪化基調が継続も、先行きは悪化一辺倒ではない
2025年11月14日
最新のレポート・コラム
-
他市場にも波及する?スタンダード市場改革
少数株主保護や上場の責務が問われると広範に影響する可能性も
2025年12月03日
-
消費データブック(2025/12/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年12月02日
-
「年収の壁」とされる課税最低限の引上げはどのように行うべきか
基礎控除の引上げよりも、給付付き税額控除が適切な方法
2025年12月02日
-
2025年7-9月期法人企業統計と2次QE予測
AI関連需要の高まりで大幅増益/2次QEでGDPは小幅の下方修正へ
2025年12月01日
-
ビットコイン現物ETFとビットコイントレジャリー企業株式
2025年12月05日

