減速懸念をよそに、高い成長率を維持

2017年7-9月期米GDP:ただし、内容は前期からやや悪化

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2017年10月30日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2017年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+3.0%となり、市場予想(Bloomberg調査:同+2.6%)を上回った。大型ハリケーンの影響などによる減速が見込まれていたが、前期(同+3.1%)と同程度の伸びを維持し、2%弱とみられる潜在成長率を上回る高成長となった。


◆GDPの増加に最も大きく寄与したのは、個人消費が前期比年率+2.4%と増加したことである。また、民間在庫が大きくプラスに寄与したほか、輸入が減少に転じ、外需(純輸出)寄与度が前期から拡大した。民間在庫の増加、および輸入の減少は、国内需要の減速を反映した可能性があり、手放しで喜べるものではない。同程度の成長率であった前期ほどには、今回の内容は良くないとみるべきであろう。


◆米国経済の先行きに関しては、内需の拡大を中心とした、緩やかな景気拡大が続くと見込まれるが、短期的にはハリケーンに伴う振れに引き続き注意が必要である。

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