サマリー
◆2017年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.6%と、市場予想(Bloomberg調査:同+2.7%)をわずかに下回ったものの、概ね想定通りの結果であった。同+1.2%の低成長に留まった1-3月期から成長率が再加速し、景気減速が一時的であったということを改めて確認させる結果となった。
◆実質GDP成長率が加速した主因は、前期に天候などの特殊要因によって伸びが抑制された個人消費が前期比年率+2.8%へと持ち直したことである。また、前期に大幅なマイナス寄与だった在庫投資による押し下げがほぼなくなったこともGDP成長率を加速させる要因となった。
◆米国経済は先行きも個人消費主導の経済成長が続くと見込まれる。トランプ政権による経済政策は実現に向けた道筋が見えず、政策による景気の押し上げは当面期待できない。しかし、政策に頼らずとも米国経済は底堅い成長を続けており、先行きも潜在成長率並みの成長を続けていくことになろう。
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