輸出の反動減がGDP成長率を下押し

2016年10-12月期米GDP:ヘッドラインは下振れも、内容は底堅い

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2017年01月30日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2016年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.9%と前期(同+3.5%)から減速し、市場予想(Bloomberg調査:同+2.2%)を下回る結果となった。個人消費が減速したことに加えて、外需寄与度が大幅なマイナスになったことが全体を押し下げた。


◆前期から減速したとは言え、個人消費の伸びは極端に低いわけではなく、GDPから外需を除いた国内需要や、外需と在庫投資を除いた国内最終需要はいずれも前期から加速する形となっている。内需についてはむしろ底堅さを増す結果であり、ヘッドラインは下振れしたものの、米国経済の底堅さが確認されたと評価できる。


◆米国経済の先行きに関して、当面は緩やかな景気拡大が続くものの、トランプ大統領の財政政策が実行されることで、2017年末頃から加速すると見込む。ただし、今後のトランプ政権の政策によって上振れも下振れも考えられ、引き続き動向を十分に注視していく必要があろう。

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