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米国経済見通し 海外経済への懸念は限定的

堅調な内需を背景に年後半のインフレが懸念材料か

2016年02月23日

政策調査部 主席研究員 土屋 貴裕

経済調査部 シニアエコノミスト 橋本 政彦

サマリー

◆1月のFOMC(連邦公開市場委員会)では政策変更はなく、海外経済と金融市場動向を注視するとの文言が復活した。資源輸出に依存した国々の経済情勢は不安視されており、IMFは国際金融システム不安に発展することを警戒している。


◆労働市場では、雇用者数の増加幅が縮小する一方で失業率が内容を伴って低下し、賃金上昇ペースが加速する兆しが見られている。株価下落などの影響は懸念材料だが総じて堅調と言え、労働市場の改善に支えられた個人消費は底堅い。企業部門は製造業の軟調さが続いていることに加えて非製造業の景況感も減速感が強まっている。


◆米国の家計や金融部門の健全性は改善し、内需は堅調であることから、FOMC参加者にとっては、海外経済や金融市場からの影響がどのように及び、インフレ率が上昇に向かうかを確認することが、より重要な論点になっている可能性がある。


◆米国経済は減速しつつも緩やかな改善基調を維持している。原油価格が安定化すれば、インフレ率は2016年後半にかけて、上昇幅が拡大すると見込まれており、インフレに対する議論が高まる可能性が高い。


◆海外経済の減速や金融市場の混乱などから景気の下振れリスクは高まっているものの、個人消費と雇用・所得の循環的な拡大が続く見込みである。米国経済の先行きについて、個人消費の増加に支えられて緩やかな景気拡大が続くという基本シナリオを修正する必要はないと考える。


◆大統領選の各党候補者選びは、アイオワ州の党員集会から始まった。予備選、党員集会が集中する3月1日の「スーパー・チューズデー」を経て3月中には各党の候補者の大勢が決するだろう。候補者の絞込みが進めば、提案される政策の優先順位と蓋然性が少しずつ明確になり、FRBの経済見通しも左右することになろう。

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