雇用の伸びは鈍化したが、好材料も多い

2016年1月米雇用統計:失業率は低下し、賃金は上振れ

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2016年02月08日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2016年1月の非農業部門雇用者数は前月差+15.1万人の増加に留まり、市場予想を下回った。雇用者数の伸びは3ヵ月連続で縮小、非農業部門雇用者数前月差の3ヵ月移動平均値も前月から低下しており、雇用の増加ペースが減速しつつある。


◆1月の失業率は前月から▲0.1%pt低下の4.9%となった。失業者の就業に加えて、労働市場の外側にいた非労働力人口の就業も進んだことを示しており、良い形で失業率が低下した。就業率、労働参加率はいずれも前月から+0.1%pt上昇しており、家計調査のヘッドラインは総じて良好であったと評価できる。


◆民間部門の平均時給は前月から12セント増加、前月比+0.5%と市場予想を上回る増加となった。前年比で見た時給変化率は+2.5%と、前月の同+2.7%から上昇幅が縮小したが、均してみれば賃金上昇率は加速しつつある。


◆企業の景況感が悪化している点は懸念材料であるが、サービス部門を中心に労働需要は底堅い。雇用の増加ペースが加速するとも考え難いが、雇用者数の増加基調は続く公算が大きい。ただし、2016年に入ってからの世界的な市場の混乱は未だ収束しておらず、マインドの悪化などを通じて実体経済を下押しする可能性には引き続き注意が必要であろう。

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