改善する雇用統計に力強さはない

2013年4月の雇用統計:失業率は7.5%へ低下

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2013年05月07日

  • 笠原 滝平

サマリー

◆2013年4月の非農業雇用者数は前月差16.5万人増と、3月から増加幅が拡大した。過去2ヵ月分は合計で11.4万人上方修正された。


◆分類別に見ると、歳出の強制削減の影響などから政府部門は引き続き減少した。一方で、民間部門は建設業の減少や製造業の足踏みがあったものの、小売業などのサービス業が全体を牽引し増加幅が拡大した。


◆失業率は7.5%と3月から0.1%ポイントの低下であった。低下の要因は主に就業者数の増加であり、前向きに捉えられる内容だ。


◆ただし、パートタイム労働者の増加などによって平均労働時間が短縮したことや、広義の失業率が上昇したこと、賃金上昇率の抑制など懸念材料が残る。失業率などヘッドラインの数字は良かったものの、力強い雇用の改善は示せていない。

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