サマリー
◆企業倒産件数は2022年以降増加基調で推移しており、足元では月800~900件程度とコロナ禍前を上回る水準が続いている。代表的な要因別に見ると、「ゼロゼロ融資後倒産」はピークから水準を切り下げている一方、「人手不足倒産」は緩やかな増加が続く。「物価高倒産」は、2025年後半以降に月100件を超える局面も見られるなど、増加が続いている。
◆物価高が企業経営に与える影響をコスト増と価格転嫁の両面から見ると、加工組立型の製造業では仕入コスト面で、宿泊業・飲食サービス業など労働集約的な業種では人件費面でそれぞれ負担が重く、且つ価格転嫁も進んでいないため、物価高への脆弱性が相対的に高い。なかでも建設業や運輸業・郵便業などは、仕入・人件費の双方で脆弱性が高い。
◆物価高への脆弱性と倒産動向の関係を見ると、仕入・人件費の双方でコスト増にさらされ、且つ価格転嫁が進んでいない業種群では、倒産件数の増加率が突出して高く、脆弱性の高さが実際の倒産動向にも表れている。
◆倒産動向の先行きを展望すると、これまで倒産が増加してきた業種に加え、影響が相対的に小さかった業種でも倒産増加圧力が高まる可能性がある。仕入コスト等の変動費率が低下する一方、人件費率と金利負担率は上昇している。中小企業の価格転嫁率が5割程度にとどまるなか、複合型や仕入コスト型の業種では当面、倒産増加圧力が続く可能性が高い。加えて、宿泊業・飲食サービス業のように人件費率の高い業種でも、賃上げによる負担が時間差で倒産として顕在化する可能性がある。
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