サマリー
◆2026年7月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+23.2%と11カ月連続で増加し、季節調整値も前月比+2.8%と5カ月連続で増加した。輸入金額は同+27.8%と6カ月連続で増加し、季節調整値も前月比+0.4%と4カ月連続で増加した。貿易収支は▲6,345億円、季節調整値では▲6,860億円と、ともに3カ月連続の赤字となった。
◆中東情勢に伴う原油及び粗油(以下、原油)の供給制約は当初、輸入数量の減少を通じて輸入金額の下押し要因(=貿易黒字要因)となった。しかし、米国などからの代替調達が6月以降顕著に進み、政府の見通し通り7月には輸入数量は概ね回復した。原油価格の高止まりも相まって、中東情勢による原油の供給制約は6月以降、輸入金額の押し上げ要因(=貿易赤字要因)に転じ、7月はこの傾向が一段と強まった。
◆輸出数量(季節調整値)は前月比+2.2%と前月から持ち直したものの、均して見れば横ばい圏で推移した。中国向け、米国向け、アジア向け(中国向けを含む)が増加した。一方、EU向けは減少した。なお、令和8年7月熊本地震では輸送用機器や電気機器関連のメーカーなどで工場の稼働が停止したが、月末の発災だったこともあり、7月時点では顕著な影響は確認できなかった。
◆先行きの輸出数量はAI関連需要が引き続き下支えに寄与するものの、中東情勢の影響が残るため、全体としては横ばい圏で推移するとみている。もっとも、中東情勢の帰趨は依然として不透明であり、物流停滞や資源高が長期化するリスクも燻っている。また、令和8年熊本地震による生産や物流の混乱を受け、輸送用機器や電気機器を中心に目先の輸出が下押しされる可能性にも留意が必要である。
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