サマリー
◆米国とイラン両国は覚書に合意した旨を発表した。これを受けて原油価格は下落したものの、攻撃開始前の水準を上回ったままで、原油供給の本格回復には時間がかかる可能性がある。原油価格が高止まりすれば、交易条件(=輸出物価/輸入物価)の悪化を通じた実質所得の海外流出が懸念される。
◆2026年4-5月平均の交易条件は紛争発生直前(2025年10-12月期)比▲5.1%と、ウクライナ侵略時(2022年4-6月期の対2021年10-12月期比▲9.3%)ほど悪化していない。近隣諸国の需給ひっ迫による石油製品の輸出物価の上昇、データセンター需要の高まりを背景としたメモリ半導体価格の上昇などの一時的な要因に下支えされている面が大きい。
◆今後はこれらの下支え要因が一巡するとみられるほか、供給制約による原油高が続けば、海外需要の停滞や代替調達の進展による輸入数量の回復などから純輸出も悪化し、実質国内総所得(GDI)への下押し圧力が徐々に強まる可能性がある。企業収益や雇用者所得への波及も含め、中東情勢の影響には引き続き注意が必要だ。
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