「トランプ関税2.0」による日本経済への影響試算

中間財の出荷減や米国等の景気悪化で日本の実質GDPは最大▲1.4%

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2024年12月18日

サマリー

◆トランプ次期米国大統領は、2024年11月25日に中国・メキシコ・カナダ(以下、3カ国)に対する追加関税措置をSNS上で発表した。中国からの全輸入品に対して10%の追加関税を、メキシコとカナダからの全輸入品に対して25%の関税を課すという内容だ(以下、「トランプ関税2.0」)。

◆トランプ関税2.0の実施により、3カ国や米国に対して中間財を出荷する日本企業やその取引先が影響を受ける見込みだ。この経路による日本の実質GDPへの影響は▲0.1%程度と試算される。影響は小さいようにみえるが、自動車や一次金属など一部のセクターに集中することには注意が必要だ。なお、米中貿易摩擦では日本の輸出シェアが低下し、東南アジア諸国などの輸出シェアが拡大した。トランプ関税2.0で日本が代替調達先として選ばれることへの過度な期待は禁物だ。

◆関税措置を実施した国々では、関税による輸入物価の上昇を起点として経済活動が悪化するという「ブーメラン効果」の発現も想定され、日本からの各国への輸出や国内生産が減少するとみられる。こうした経路を含めた日本の実質GDPへの総合的な影響は、最大で▲1.4%程度に拡大すると試算される。

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