サマリー
◆2024年7月1日に公表予定の6月日銀短観において、大企業製造業の業況判断DI(最近)は+11%pt(前回調査からの変化幅:0%pt)、同非製造業では+33%pt(同:▲1%pt)を予想する。
◆大企業製造業では、自動車の認証不正問題や仕入価格の上昇の悪影響が、円安による売上増の影響を相殺するとみている。とりわけ「自動車」や関連業種である「鉄鋼」では、6月に発覚した自動車の認証不正問題の悪影響が表れ業況判断DI(最近)が低下するだろう。他方、その他の機械関連業種では円安を背景とした業況判断DI(最近)の改善が見込まれる。
◆大企業非製造業では、インバウンド需要の回復が業況判断を押し上げるものの、一部職種における時間外労働の上限規制適用開始が重しとなる見込みだ。とりわけ「卸売」では、輸送費の増加などが収益を圧迫し業況判断DI(最近)が低下するとみている。他方、「宿泊・飲食サービス」や「対個人サービス」ではインバウンド消費の拡大を主因に業況判断DI(最近)が改善するだろう。
◆2023年度の設備投資計画(全規模全産業、含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は前年度比+4.9%と予想する。2024年度の設備投資計画(全規模全産業、同ベース)は同+11.1%を予想する。企業が先送りしてきた投資の発現を見込むことで、23年度に続いて高めの設備投資計画が示されるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2024年3月日銀短観予想
「自動車」の業況判断DI(最近)の低下が製造業全体の重石に
2024年03月21日
-
2023年12月日銀短観予想
自動車挽回生産・経済活動再開が好材料も人手不足深刻化が懸念材料
2023年12月06日
-
2023年9月日銀短観予想
経済正常化は一段と進展するも海外経済停滞への懸念が広がる
2023年09月13日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日