サマリー
◆2023年12月の機械受注(船電除く民需)は前月比+2.7%と2カ月ぶりに増加した。製造業(同+10.1%)の増加幅が大きく、非製造業(船電除く)(同▲2.2%)の減少を補った。内閣府は機械受注の基調判断を「足踏みがみられる」に据え置いた。
◆製造業からの受注額は2カ月ぶりに増加した。化学工業からの受注額が大幅に増加し、全体を押し上げた。非製造業(船電除く)からの受注額は2カ月連続で減少した。運輸業・郵便業のほか、前月からの反動で通信業が減少した。
◆2023年の機械受注(船電除く民需)は、前年比▲3.6%と3年ぶりに減少した。製造業(同▲7.3%)では、欧米での金融引き締めや、中国経済の回復の遅れなどを背景に外需が低迷し、受注額は伸び悩んだ。非製造業(船電除く)(同+0.0%)では、経済正常化に対応した設備投資などが下支えしたものの、受注額は小幅な増加にとどまった。
◆先行きの民需(船電除く)は、当面は横ばい圏で推移するとみている。海外経済の先行き不透明感の強さなどを背景に、企業が設備投資に慎重になっている可能性がある。米欧での利下げや中国経済の回復が遅れるリスクが顕在化し、企業の設備投資が下振れする可能性には注意が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2023年11月機械受注
製造業からの受注額の大幅減で民需(船電除く)は3カ月ぶりに減少
2024年01月18日
-
2023年10月機械受注
大型案件の影響もあり2カ月連続の増加
2023年12月14日
-
2023年9月機械受注
7-9月期の民需(船電除く)は2四半期連続で減少
2023年11月16日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年7月機械受注
金融業・保険業、不動産業などの受注減で軟調な結果
2025年09月18日
-
2025年8月貿易統計
トランプ関税や半導体需要減の影響継続で輸出金額は4カ月連続減少
2025年09月17日
-
トランプ関税でインバウンドに黄色信号
中国人旅行客の伸びしろは大きいものの、他国の状況は厳しい
2025年09月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日