2021年4-6月期GDP(2次速報)

政府消費と設備投資を中心に上方修正され前期比年率+1.9%に

RSS

2021年09月08日

  • 経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司
  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆2021年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.9%(前期比+0.5%)に改定され、1次速報値の同+1.3%から伸び率が高まった。政府消費や設備投資、個人消費などが上方修正された一方、民間在庫や公共投資は下方修正された。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、期中に3回目の緊急事態宣言が発出されたものの、民需関連では在庫を除く全項目が前期から増加しており、厳しい感染状況のもとで景気が緩やかに持ち直したことが改めて確認された。

◆7-9月期の実質GDP成長率は9月12日に期限を迎える緊急事態宣言が同月末まで延長されるとの想定のもと、前期比年率+1.1%と見込んでいる。個人消費は小幅に減少するものの、輸出や設備投資、公需などの増加がGDPを押し上げよう。ワクチン接種が順調に進めば、実質GDPはサービス消費が持ち直す10-12月期頃に感染拡大前(2019年10-12月期)の水準を回復するとみられる。だが、こうした見通しは不確実性が大きい。最大の景気下振れリスクともいえる変異株の動向には引き続き警戒が必要だ。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。