サマリー
◆8月の消費は7月から大幅に減少したとみられる。新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大に加え、西日本を中心とした豪雨の影響が大きかったとみられる。財消費では外出機会の減少を受け、百貨店や家電大型専門店、コンビニエンスストアの売上高が7月から大幅に減少した。他方、東京五輪の開催も在宅需要を後押しし、スーパーマーケットやドラッグストア、ホームセンターなどは前月から売上が増加した。サービス消費は7月に前月から改善したものの、8月に入り感染拡大の影響で落ち込んだとみている。
◆【小売関連】8月の大手百貨店の既存店売上高の伸び率は2019年同月比で3割減程度と7月からマイナス幅が拡大した。また、大手家電量販店の売上高は前月比▲4.7%、コンビニエンスストアは同▲3.5%となった。家電量販店では東京五輪前に売上が伸びていたテレビの需要が一服し、全体を押し下げた。8月の新車販売台数は7月からほぼ横ばいとなり、半導体不足に加え東南アジアにおける工場の操業停止の影響から低水準での推移が続いている。一方、スーパーマーケットは同+0.8%、ドラッグストアは同+3.6%と前月から増加した。とりわけ飲食料品が全体を押し上げた。
◆【サービス関連】8月の新幹線輸送量は、2019年同期比6割減程度と7月に比べマイナス幅が拡大した。感染拡大を受け、移動を自粛する傾向が強まったようだ。お盆期間の輸送量はコロナショック前と比べ約6~7割減となり、高速道路交通量は前年比で4割減であった。また、8月の飲食店情報閲覧数は2019年同期比で6割減と7月から大幅に悪化し、1回目の緊急事態宣言が発出された2020年5月以来のマイナス幅となった。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
消費データブック(2021/8/23号)
個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り
2021年08月23日
-
2021年6月消費統計
コンセンサスを大幅に下回るも、総じて見ると前月から僅かに減少
2021年08月06日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年7-9月期法人企業統計と2次QE予測
AI関連需要の高まりで大幅増益/2次QEでGDPは小幅の下方修正へ
2025年12月01日
-
高市政権における実質賃金上昇の鍵は?
政策・改革の推進で40年度までの実質賃金は年率1.2~1.6%程度に
2025年12月01日
-
2025年10月雇用統計
雇用環境の改善が進み、就業者数は過去最高を更新
2025年11月28日

