消費データブック(2021/8/23号)

個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り

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2021年08月23日

  • 鈴木 雄大郎

サマリー

◆8月前半の消費は7月から減少したとみられる。新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大に加え、西日本を中心とした豪雨の影響が大きかったとみられる。財消費では外出機会の減少を受け、百貨店や家電大型専門店、コンビニエンスストアの売上高が7月から大幅に減少した。他方、東京五輪の開催も在宅需要を後押しし、スーパーマーケットやドラッグストアなどは前月から売上が増加した。とりわけ飲食料品が全体を押し上げた。7月のサービス消費は6月から改善したとみられるものの、8月に入り感染拡大を受け、小売店・娯楽施設の人出は減少傾向にあり、消費額も落ち込んだとみている。

◆【小売関連】8月前半の大手百貨店の既存店売上高の伸び率は2019年同期比で3割減程度と7月からマイナス幅が拡大した。また、大手家電量販店の売上高は前月平均比▲7.8%、コンビニエンスストアは同▲4.9%となった。家電量販店では東京五輪前に売上が伸びていたテレビの需要が剥落し、全体を押し下げた。一方、スーパーマーケットは同+0.3%、ドラッグストアは同+2.1%と前月から増加した。とりわけ飲食料品が全体を押し上げた。

◆【サービス関連】7月の新幹線輸送量は、2019年同期比5~6割減程度、旅客機(国内線)輸送量は同6割減程度と、いずれも6月に比べマイナス幅が縮小した。7月は4連休もあって人の移動が活発になった。だが、8月に入り全国的な感染拡大を受けていずれもマイナス幅が7月から拡大したとみられる。一方、お盆期間の旅客数はいずれも同6~7割減程度であった。また、お盆期間の高速道路交通量(NEXCO3社と本州四国連絡橋)も前年比で4割減と前月からマイナス幅が拡大した。

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