2021年5月鉱工業生産

自動車工業の大幅減産で生産指数は3カ月ぶりに低下

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2021年06月30日

  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆2021年5月の生産指数は前月比▲5.9%と市場予想(同▲2.1%)を下回り、2020年12月以来の低水準となった。半導体不足の影響を受けた自動車工業が大幅に減産したほか、生産用機械工業や電気・情報通信機械工業など幅広い業種で前月の増産の反動減が表れた。

◆先行きの生産指数は緩やかに上昇するとみている。新型コロナウイルスワクチンの世界的な普及による経済活動の正常化の進展が幅広い業種の増産を後押しするだろう。世界的な半導体不足への対応のため、集積回路などの半導体や同製造装置の増産も見込まれる。自動車生産の持ち直しも見込まれるが、ルネサスエレクトロニクス子会社の工場火災の影響により、7月頃までは緩やかな回復にとどまるだろう。製造工業生産予測調査によると、6月は前月比+9.1%(計画のバイアスを補正した試算値(最頻値)は同+5.4%)、7月は同▲1.4%と見込まれている。

◆7月7日公表予定の5月分の景気動向指数は、先行CIが前月差▲1.4ptの102.4、一致CIが同▲2.6ptの92.7と予想する。この予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は「改善」に据え置かれる。

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