サマリー
◆2021年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.3%(前期比+0.3%)と市場予想を上回った。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、期中に3回目の緊急事態宣言が発出されたものの、2四半期連続のマイナス成長は避けられた。需要項目別に見ると、民需関連では在庫を除く全項目が増加した。公需関連では政府消費が増加した一方、公共投資は減少した。外需関連では輸出入ともに増加したが、輸入が輸出を上回って増加したため、純輸出の寄与はマイナスになった。
◆7-9月期の実質GDP成長率は8月末に期限を迎える緊急事態宣言が延長されるとの想定のもと、前期比年率+1.5%程度と見込んでいる。個人消費は小幅に減少するものの、輸出や設備投資、公需などの増加がGDPを押し上げよう。ワクチン接種が順調に進めば、実質GDPはサービス消費が持ち直す10-12月期頃に感染拡大前(2019年10-12月期)の水準を回復するとみられる。だが、こうした見通しは不確実性が大きい。最大の景気下振れリスクともいえる変異株の動向には引き続き警戒が必要だ。
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