サマリー
◆2021年4月の完全失業率(季節調整値)は、前月の急落から一転して0.2%pt上昇した。内訳を見ると、就業者が2カ月連続で減少した(前月差▲26万人)一方で、失業者が同+14万人と4カ月ぶりに増加した。就業者の業種別内訳を見ると、対人接触型サービス業で低迷が続いたほか、その他の業種でも減少が見られた。
◆4月の有効求人倍率は1.09倍(前月差▲0.01pt)、新規求人倍率は1.82倍(同▲0.17pt)と、いずれも2カ月ぶりに低下した。新規求人数は前月比▲4.3%と2カ月ぶりに減少した。まん延防止等重点措置の適用や3度目の緊急事態宣言(以下、宣言)の発出により、対人接触型サービス業を中心に労働需要が減少したことや、前月の大幅増(同+8.0%)の反動が表れたことが指摘できよう。
◆宣言の発出と延長などを背景に、先行きの雇用環境は悪化に向かうとみている。失業率は緩やかに上昇しよう。ただし、雇用調整助成金の特例措置など手厚い雇用対策などに鑑みれば、失業率の上昇は小幅にとどまる公算が大きい。先行き不透明感が強いなかでは、これまでと同様に、必要度の高い事業主に対して手厚い支援を行う必要があろう。
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