サマリー
◆2021年3月の完全失業率(季節調整値)は前月から0.3%pt低下した。内訳を見ると、失業者の減少(前月差▲23万人)が失業率を押し下げる一方で、非労働力人口が増加した(同+24万人)。就業者は減少した(同▲13万人)が、業種別内訳を見ると、対人接触型サービス業で低迷が続くほか、これまで増加を続けてきたその他の業種も減少した。
◆3月の有効求人倍率は1.10倍と、2カ月ぶりに上昇した。新規求人倍率は1.99倍(同+0.11pt)と、2カ月ぶりに上昇した。新規求人数は前月比+8.0%と3カ月ぶりに増加した。1、2月は2回目の緊急事態宣言下で減少したが、3月は宣言の全面解除などを背景に持ち直した。
◆3回目の緊急事態宣言の発出などを背景に、先行きの雇用環境は悪化に向かうとみている。失業率は緩やかな上昇基調へと転じよう。ただし、雇用調整助成金の特例措置など手厚い雇用対策などに鑑みれば、失業率の上昇は小幅にとどまる公算が大きい。感染拡大に歯止めがかからず、先行き不透明感が強いなかでは、これまでと同様に、必要度の高い事業主に対して手厚い支援を行う必要があると思われる。
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