楽観と慎重のさじ加減
サマリー
景気に楽観的な見方が強まっている。世界の新型コロナウイルスの新規感染者数は1月半ばをピークに減少傾向にあり、移動や店舗営業などに関する規制を一部緩和する動きが出てきている。感染抑制に先んじて成功している中国に加え、現金給付など追加の財政支援策が追い風となっている米国では足元で景気回復ペースの加速が期待される。また、国ごとにばらつきはあるもののワクチン接種が徐々に拡大し、感染抑制や死亡率低下に貢献しているとの最初の報告が出てきていることも朗報である。ただし、新型コロナウイルスの抑え込みがこのまま順調に進むかに関しては不透明要因が少なくない。ワクチンの供給制約はまだ解消されておらず、一方で感染力の強い変異株の急拡大リスクがくすぶっている。景気回復の持続性を担保するためにも、移動や店舗営業に関する規制の緩和は慎重かつ柔軟に対応することが肝要となろう。
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