サマリー
◆2020年10月の完全失業率(季節調整値)は3.1%と、前月から0.1%pt上昇した。内訳を見ると、就業者は前月差+3万人と増加したものの、失業者はそれ以上に増加した(同+8万人)。失業者を求職理由別に見ると、非自発的な離職による者が3ヶ月連続で増加したほか、自発的な離職による者(自己都合)の増加も全体を押し上げた。
◆10月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.01pt上昇して1.04倍となり、新規求人倍率(同)は前月から0.20pt低下して1.82倍となった。有効求人倍率が前月から上昇したのは2019年4月以来、1年半ぶりだ。
◆今後、緊急事態宣言を要するほどに新型コロナウイルス感染拡大が深刻化しない限りは緩やかな景気回復が続き、労働需要も回復していくとみられる。先行きの雇用環境もこれを反映して、2020年末頃を境に改善へと向かうとみている。ただし、足元では感染が拡大しつつあり、すでにGo To キャンペーン事業の見直し等、政府も対応を強化している。仮に緊急事態宣言の再発出などを受けて景気が二番底を付けるような事態に陥れば、雇用環境の急速な悪化は回避できない。今後も感染状況に応じた企業支援策の実施が不可欠だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日