サマリー
◆【企業部門】2020年5月の企業部門は悪化した。輸出数量は前月比▲9.4%と3ヶ月連続で減少した。米国向け、EU向け、アジア向けのいずれも減少した。鉱工業生産指数は同▲8.9%と大幅に低下した。内需の弱さに加えて、欧米諸国でのロックダウン措置等の影響が表れた。機械受注(船舶・電力を除く民需)は同+1.7%と増加した。第3次産業活動指数は同▲2.1%と4ヶ月連続で低下した。生産活動の停滞などを背景に「卸売業」などが低下した。
◆【家計部門】2020年5月の雇用・賃金、個人消費は総じて弱い結果であった。新型感染症拡大に伴う経済活動の停滞により労働需要が減少した。失業者数は非自発的な離職者の増加もあって前月から19万人増加し、完全失業率は2.9%となった。現金給与総額は前年同月比▲2.3%と2ヶ月連続で前年を下回った。二人以上世帯の消費額は自動車購入の減少が全体を押し下げたが、緊急事態宣言の全面解除もあり、前月比▲0.1%と底入れしつつある。
◆【四半期指標】2020年6月日銀短観によると、大企業の業況判断DI(最近)は製造業で▲34%pt(前回差▲26%pt)、非製造業で▲17%pt(同▲25%pt)と、いずれもリーマン・ショック以来の水準まで悪化した。2020年度の全規模全産業の設備投資計画(含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は下方修正された。通常、設備投資計画は6月調査で上方修正されることが多いが、新型感染症の影響を受け、リーマン・ショック後の2009年度以来の下方修正となった。
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