2020年3月鉱工業生産

自動車工業を中心に大幅減産も底はまだ先

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2020年04月30日

  • 鈴木 雄大郎
  • 小林 俊介

サマリー

◆2020年3月の生産指数は前月比▲3.7%と2ヶ月連続で低下したが、市場コンセンサス(同▲5.0%)を上回った。3月は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の自粛による内需の減退に加え、外需も欧米を中心にロックダウン措置等により経済活動が停滞したことを受け急減した。財別に見ると、資本財や自動車などの耐久消費財を中心に大幅なマイナスとなった。

◆業種別では、15業種中13業種で低下した。自動車工業(前月比▲5.1%)や生産用機械工業(同▲10.2%)などが低下に寄与した。また、出荷指数も前月比▲5.0%と4ヶ月ぶりに大幅に低下した。一方、在庫指数は前月比+1.9%と2ヶ月ぶりに上昇した。生産・出荷が低下する中、在庫を積み上げる動きが見られており、水準で見ると、現行基準の2013年以降では過去最高を更新した。

◆先行きについて、4月はさらなる低下を見込んでいる。製造工業生産予測調査によると4月は前月比+1.4%、5月は同▲1.4%となっているが(経産省による、計画のバイアスを補正した4月の先行き試算値(最頻値)は同▲1.3%)、4月に入り、自動車工業を中心に工場を停止する企業が相次いでいる。国内外ともに経済活動の自粛から稼働率が低下しており、資本財を中心に需要が急減することが見込まれる。5月以降、中国の経済活動の正常化に加えて、欧米各国では段階的にロックダウン措置を緩和する動きが見られることから、4月を底に下げ止まる可能性がある。ただし、感染拡大でさらなる減産のリスクにも留意する必要がある。

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