サマリー
◆2016年9月の国際収支統計によると、経常収支は1兆8,210億円と、27ヶ月連続の黒字となった。季節調整値で見ると、経常収支は1兆4,773億円と30ヶ月連続の黒字となったが、前月(8月:1兆9,757億円)からは黒字幅が4,984億円縮小した。
◆9月には、前月大幅に増加していた直接投資収益の受取が反動で減少したこと、LNGなどのエネルギー価格の反発により輸入価格が上昇したことが経常収支黒字幅の縮小要因となった。一方、米国向け自動車や自動車部品輸出が増加していることなどを踏まえると、特殊要因やエネルギー価格の影響を除けば、9月の経常収支は概ね横ばい圏、あるいは若干黒字幅拡大方向に推移していたものと評価出来よう。
◆先行きの経常収支は、緩やかな黒字幅拡大を見込んでいる。足下で輸出数量に底入れの兆しが見られていることにより、輸出金額は緩やかな拡大基調が続くとみている。原油価格は振れを伴いながら現状程度の水準で推移するとみており、輸入金額への影響も限定的なものにとどまるだろう。貿易収支の黒字幅は緩やかながら拡大を続けると見込んでいる。一方、旅行収支の黒字幅は緩やかに縮小基調にあり、サービス収支の赤字幅が大幅に縮小するということは考えにくい。また、第一次所得収支の黒字幅は緩やかな縮小傾向が続いていたが、為替レートの変動が落ち着けば、所得収支は横ばい圏の動きに転じる公算が大きい。貿易収支黒字幅拡大が経常収支黒字幅の拡大要因となると見込んでいるものの、拡大ペースは極めて緩やかなものになる見込みである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年1月消費統計
サービスは弱いものの財が強く、総じて見れば前月から小幅に増加
2026年03月10日
-
2025年10-12月期GDP(2次速報)
幅広い需要項目が上方修正され、実質GDPは前期比年率+1.3%に
2026年03月10日
-
消費データブック(2026/3/5号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年03月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

