1. トップ
  2. レポート・コラム
  3. 経済分析
  4. 日本
  5. 9月国際収支統計

9月国際収支統計

直接投資収益受取減により黒字幅縮小、特殊要因を除けば堅調な結果

2016年11月09日

齋藤 勉

小林 俊介

サマリー

◆2016年9月の国際収支統計によると、経常収支は1兆8,210億円と、27ヶ月連続の黒字となった。季節調整値で見ると、経常収支は1兆4,773億円と30ヶ月連続の黒字となったが、前月(8月:1兆9,757億円)からは黒字幅が4,984億円縮小した。


◆9月には、前月大幅に増加していた直接投資収益の受取が反動で減少したこと、LNGなどのエネルギー価格の反発により輸入価格が上昇したことが経常収支黒字幅の縮小要因となった。一方、米国向け自動車や自動車部品輸出が増加していることなどを踏まえると、特殊要因やエネルギー価格の影響を除けば、9月の経常収支は概ね横ばい圏、あるいは若干黒字幅拡大方向に推移していたものと評価出来よう。


◆先行きの経常収支は、緩やかな黒字幅拡大を見込んでいる。足下で輸出数量に底入れの兆しが見られていることにより、輸出金額は緩やかな拡大基調が続くとみている。原油価格は振れを伴いながら現状程度の水準で推移するとみており、輸入金額への影響も限定的なものにとどまるだろう。貿易収支の黒字幅は緩やかながら拡大を続けると見込んでいる。一方、旅行収支の黒字幅は緩やかに縮小基調にあり、サービス収支の赤字幅が大幅に縮小するということは考えにくい。また、第一次所得収支の黒字幅は緩やかな縮小傾向が続いていたが、為替レートの変動が落ち着けば、所得収支は横ばい圏の動きに転じる公算が大きい。貿易収支黒字幅拡大が経常収支黒字幅の拡大要因となると見込んでいるものの、拡大ペースは極めて緩やかなものになる見込みである。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加