3月鉱工業生産

輸出主導による一旦の底入れを示唆する内容

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2015年04月30日

  • 小林 俊介

サマリー

◆2015年3月の生産指数は、前月比▲0.3%と2ヶ月連続の低下となったものの、市場コンセンサス(同▲2.3%)や前月時点での予測調査(同▲1.4%)に比べれば大きく上振れした。2014年8月を底とした緩やかな生産の増加傾向を確認させるポジティブな内容である。予測調査では、4月の生産計画は前月比+2.1%と増産に向かう見通しとなった。5月は同▲0.3%と微減が見込まれているものの、緩やかな回復基調が継続するとの判断に変更はない。


◆ただし内訳をみると、外需関連の加工業種の強さに対して、内需関連の素材業種の弱さが実績・先行きともに目立つ。加えて内需への波及効果が大きい輸送機械工業での減産計画が続く点も気がかりである。基本シナリオとしては堅調な輸出に支えられる形で生産の増加傾向が続くと見込んでいるが、頼みの綱の外需がどこまで堅調さを維持できるかが今後より重要性を増してこよう。

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