1-3月期ユーロ圏GDP 市場予想に反して減速

かろうじてプラス成長も、原油高の悪影響本格化の前から成長停滞

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2026年05月01日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆ユーロ圏の2026年1-3月期の実質GDP成長率(速報値)は、前期比+0.1%となり、市場予想(Bloomberg調査:同+0.2%)を下回った。成長率は米国の追加関税本格化前の駆け込み需要からの反動減で減速した2025年4-6月期以来の低さとなり、プラス成長とはいえ欧州経済の停滞を示す結果となった。

◆個別国の成長率を見ていくと、フィンランドが前期比+0.9%と最も高い伸びとなり、これにエストニア、スペインがそれぞれ同+0.6%で続いた。スペインの高成長がユーロ圏全体をけん引するという構図は従来通りだが、成長率は前期(同+0.8%)から減速している。スペインに加えて、イタリア(同+0.2%)、オランダ(同+0.1%)、フランス(同0.0%)の成長率が前期から鈍化しており、これがユーロ圏全体の減速につながった。

◆1-3月期のGDP統計では、ユーロ圏経済の成長ペースの鈍化が確認されたが、4月に入って下振れリスクはさらに高まっている。イランでの戦争の勃発とそれに伴うエネルギー価格の急騰を受けて、企業や家計の景況感、および景気見通しは急速に悪化している。イランでの戦争、エネルギー価格の高騰が長引けば、需要、供給の両側面から景気の下押し圧力が強まる公算は大きく、4-6月期におけるマイナス成長の可能性が高まっている。

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