サマリー
◆欧州では新型コロナウイルス感染再拡大が深刻化しており、欧州疾病予防管理センターによれば1日当たりの感染者数は、ロックダウンに突入した春のピーク時から既に5.9倍にまで拡大している。ドイツでは10月28日に、11月2日から30日までの4週間、全国的なロックダウンの導入を決定した。
◆フランスでもマクロン大統領が、春に続き二回目となる全国的なロックダウン措置の導入を発表している。出勤や通学、通院、生活必需品の買い物、1日1時間の運動といった理由以外での外出は禁止される。現状では1日当たりの新規感染者数が4万人を超えているが、これが5,000人以下に低下することが、制限措置解除を開始する際の指標になるという。そのため春のロックダウンよりも長期化が予想され、解除まで4カ月近くを要するとの予想すらある。
◆英国とEUとの将来的な関係性を巡る協定交渉は、10月29日からは、場所をブリュッセルに移し11月以降も交渉が継続される予定である。一方、11月3日に実施予定の米国大統領選挙で、バイデン候補が勝利すれば、国内政治やトランプ前政権で冷え込んだEUとの関係改善に取り掛かることになるとみられている。ただしバイデン候補およびその周辺は、ジョンソン政権について良い印象を持っておらず、トランプ政権を熱心に支持したことや、ブレグジットを巡る考えなどが西側諸国の結束を損なうとネガティブにとらえている。このため、米国にとって英国との協定妥結の優先順位が下がることになり、孤立無援になることを恐れるジョンソン首相は、EUと関税ゼロ、数量割当なしといった、最低限の方策をカバーした通商協定で手を打たざるを得なくなる可能性が高まることが予想される。
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