サマリー
◆英国では、9月3日の夏季休会明けに、議会とジョンソン政権の衝突が予想されている。その前日2日に緊急閣議が開かれた後、午後6時からジョンソン首相の声明が急遽発表されることとなり、総選挙が間近ではないかとの憶測が高まった。しかし声明では、総選挙によって膠着状態を打開することを否定し、選挙を望んでいない考えを明らかにした。
◆しかしその言葉とは裏腹に、ジョンソン政権は前倒し選挙を求める動議を提出する可能性が高い。自分は総選挙を望んでいないと強調することで、総選挙の要因を作ったのは議会というアリバイを作りたいためとの見方もある。ブレア元首相は9月2日、ジョンソン政権が狙う総選挙の罠に陥ることがないよう(労働党の敗北を懸念して)、労働党議員に総選挙を支持しないよう促している。しかし、コービン党首は政権獲得への色気からか、政府が要請すれば前倒し総選挙はいかなる状況下でも支持すると発言している。
◆9月2日の緊急閣議ではブレグジット交渉の現状についての説明があり、“バックストップを離脱協定から排除すべきとする英国政府の立場を、合意形成のためにEUが理解を示した”ことが共有されたと報じられている。さらに将来のEUとの関係性が自由貿易協定に基づくものということを明らかにするため、政治宣言の修正が行われる可能性についての説明もあったという。このため、現段階では合意なき離脱の可能性が高いものの、今後のEUとの交渉状況次第では、10月のEUサミットまでに、EUとの合意に達するとの見方も急速に浮上している。
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