サマリー
◆英国のEU離脱が10月31日まで再延長された際の条件のひとつとして、5月22日までに離脱協定が批准されない場合には、英国は5月23日から実施される欧州議会選挙に参加しなければならない。二回目の国民投票の前哨戦として位置づけられている欧州議会選挙だが、ブレグジットを巡り内紛が勃発したメイ首相率いる保守党が苦戦することが各種世論調査から明らかになっている。
◆欧州議会選挙に先駆け、5月2日に実施される英国地方選挙もメイ首相の今後を占う上では重要と言われている。ただブレグジット疲れで有権者の投票意欲は落ちており、投票率の低下が結果にどの程度影響するのか予想が難しいのが実情である。保守党の議席減が予想されるものの、その(敗北の)度合いがどれくらいかだったかが、メイ首相の進退を左右する。
◆労働党が最終的な離脱合意に対する国民投票の実施を選挙公約に含めば、労働党は親EU派の政党として認識され、親EU派として統一候補を擁立できなかったチェンジUKや自由民主党などを支持する有権者の票が集まり、更に支持率が伸びるとも言われている。ただ、労働党の支持率上昇は、即ち、今後の国政選挙でコービン首相誕生が近づくことを意味しており、金融市場は警戒を強めている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 追加関税の影響が顕在化
米国向け輸出が急減、対米通商交渉の行方は依然不透明
2025年06月24日
-
欧州経済見通し 対米通商交渉に一喜一憂
米英合意、米中間の関税引き下げは朗報、EUの交渉は楽観視できず
2025年05月23日
-
1-3月期ユーロ圏GDP 成長ペースは再加速
市場予想を上回る良好な結果、ただし先行きは減速へ
2025年05月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日