サマリー
◆3月12日、離脱協定合意案に対する2回目の議会採決(意味ある投票)が下院で行われ、反対391票、賛成242票(149票差)と前回の採決(1月15日)に続き大差で否決された。反対議員の意見が覆らなかった主な原因は、投票日当日に英国コックス法務長官が、3月11日にEUと合意した2つの離脱協定の変更(共同解釈文書および政治宣言の追加文章)において、当初の離脱協定の内容を変えることができないとの法的助言を発表したことである。
◆合意なき離脱を回避するには、EUとの離脱協定合意の受け入れしかないと、メイ首相が再三にわたり訴えたことは、むしろ議会からの信任を下げることとなったという。ここ数ヵ月はメイ首相のスタンドプレーが目立ち、バックストップの代替措置についてまでも、周囲の誰にも相談せず行動し続けたことは逆効果となったようだ。
◆否決後、EU側は声明を出し、英国が離脱延長を求める合理的な理由がある場合、離脱延長を容認する姿勢を示した。さらに合意なき離脱の場合でも、その準備を着実に実施するとした。ただし、ユンケル欧州委員会委員長は、メイ首相が主導しているEUとの離脱協定合意案が英議会で否決される限り、これ以上の協議は行わないと釘を刺している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 仏財政不安、長期化の覚悟
国民世論の二極化で、決められない政治が続くリスクが高まる
2026年10月22日
-
欧州経済見通し 足元堅調もリスクは下向き
長引くインフレリスクと強まる金利上昇圧力
2026年09月17日
-
欧州経済見通し 引き続きインフレに警戒
猛暑で高まるインフレ上振れリスク
2026年08月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

