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ブレグジット採決は一転して可決の方向に?

EUが土壇場でバックストップの変更を譲歩

2019年03月12日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆メイ首相は、3月11日夜にストラスブールを訪問し、ユンケル欧州委員会委員長と、EU離脱(ブレグジット)協定の最後の交渉を行い、法的拘束力を持たせる形でバックストップに関する変更を行うことで合意したと発表した。変更の内容は、離脱協定に関する法的拘束力のある共同解釈文書および政治宣言に関する追加文書により、英国がEUによってバックストップに恒久的に拘束されないことを保証するものである。

◆しかし、離脱協定が議会で承認されるかは、依然、予断を許さない。メイ首相の合意案に反対の姿勢を示していた民主統一党(DUP)は、今回のバックストップの変更を吟味する時間が必要とし、支持するかどうかについて明確な回答を避けた。またヨーロッパリサーチグループ(ERG)の強硬離脱派議員は、今回の変更が期待されていたことにはもの足りないと指摘するなど、依然、離脱協定を支持しない方向性を示した。

◆首相官邸は労働者の権利保護強化や、助成金などで労働党議員の取り込みに奔走していたものの、取り立てて成果は出ていない。仮に3月12日に否決された場合に、現実的にはメイ首相にはほとんど代替策がなく、合意なき離脱に関する議会の意思を無視し、離脱日まで時間稼ぎをして、合意なき離脱を果たす可能性も否定できないだろう。

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