サマリー
◆2019年予算を巡ってイタリア政府とEUの対決姿勢が鮮明である。6月にポピュリスト政権が誕生した時からこの対決は予想されていたが、これまでのところ双方とも真っ向勝負を挑んでいるように見受けられる。イタリア国債は10月に懸念されていた「投資不適格級」への格下げは免れたが、欧州委員会から11月13日までに要請されている財政計画の再提出に応じない構えで、イタリア国債利回りは高止まりを続けている。
◆国債利回りの上昇はイタリア政府の資金調達コストを増大させるだけでなく、イタリア国債を保有する銀行の資産を目減りさせる。また、銀行の貸出姿勢が厳しくなることを通じて企業や家計に悪影響を及ぼす懸念もある。イタリア政府は財政計画の目的を景気のテコ入れとしているが、逆に景気後退に陥るリスクが高まっていると考える。景気悪化リスクを回避するためイタリア政府がEUに歩み寄ることを期待したいところだが、ポピュリスト政権が敢えて公約実現にこだわる可能性も否定できず、対立は長期化する懸念が大きい。
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