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ブレグジット交渉・合意なき離脱のリスクシナリオ

日本製造業の英国からの脱出が本格化するのか?

2018年09月03日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆英国政府は8月23日に、離脱協定合意の可能性が高いとしながらも、合意なき離脱の場合に向けた25の政府指針を含む公式文書を発表した。ただあくまで英国が一方的に発表した方針であるため、EU側が同様の措置を取らなければ意味がないと、産業界からの反応はいま一つである。

◆合意なき離脱は日本企業にも大きな影響が予想されている。既にいくつかの在英日本企業が、本社を英国から大陸欧州へ移転を発表するなど、離脱の前に英国を後にする動きが出始めている。ただ工場などを有する製造業は金融業などとは異なり、すぐに移転することは難しい。特に欧州に広域なサプライチェーンを構築し、英国に組立工場を有する日本の自動車メーカーなどは、その影響が甚大といわれている。

◆合意なき離脱の可能性が高まるにつれ、金融機関の英国経済の見通しは、総じてネガティブなものに変更されつつある。これまで、ブレグジット交渉の結果として、秩序立った離脱の可能性が最も高いとみていた主要格付け機関等は、英国内の政治的分断の激化、交渉の時間切れの懸念から、この見通しを撤回しつつある。

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