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移行期間で暫定合意したブレグジット交渉

北アイルランド国境問題での具体的な解決策は棚上げ

2018年03月23日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆3月19日、EUバルニエ首席交渉官と英デービスEU離脱担当相は、EU離脱交渉の後に欧州委員会で会見を行い、129ページにおよぶEU離脱協定草案の部分合意を発表した。今回の交渉の争点ともなった移行期間についても、2020年末までの21ヶ月間とすることで暫定合意に至った。

◆移行期間が実現するかは、今回の離脱協定草案が全て合意できるかにかかっている。バルニエ首席交渉官は「全てが合意されるまで何も合意されない」とのこれまでのスタンスを再度強調し、離脱協定が全て最終合意に至らない限り、移行期間については確約が無いと牽制した。合意を目指す上で、最も大きな障壁は、アイルランドと北アイルランドの国境問題といわれている。

◆仮に、今後、EU離脱協定草案が英国議会で採決されたとしても、新協定交渉の協議が移行期間中に終結する可能性は低いとされるため、ハード・ブレグジット(ノー・ディール)が起こる可能性は依然変わらないとする向きも多い。今回の移行期間の暫定合意により、金融パスポート制度についての懸念を抱える金融機関や、サプライチェーン分断に直面する自動車セクターなどの懸念は払拭しきれていないといわれている。

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