サマリー
◆ユーロ圏経済は天気に例えれば快晴で、2017年年央に消費、投資、輸出がそろって拡大した。2017年末から2018年初めにかけて景気拡大は小休止しているが、急拡大した反動によるスピード調整の期間とみられる。インフレ率は加速しておらず、ECBは「非伝統的な金融緩和」からの出口戦略を段階的に進めていくと予想される。
◆英国経済は薄曇り。Brexit(英国のEU離脱)という難題を抱え、雨になることが懸念されたものの、2017年は輸出と投資の拡大のおかげで持ちこたえた。BOE(英中銀)はインフレを警戒して早期利上げに言及しているが、最新の経済指標はその判断を難しくしている。消費者物価上昇率は2月に前年比+2.7%に減速した一方、賃金上昇率には加速傾向が見られる。BOEは5月に追加利上げを決める可能性が高いと予想されるが、今後の景気指標次第となろう。
◆ユーロ圏と英国に共通する景気下振れリスクは、外部環境の見通しの不透明感である。足下の受注は好調だが、米国とEUの貿易摩擦の高まりが新たな懸念材料となっており、またBrexit交渉は最低限のペースでしか進んでいない。Brexitに関する最新情報はEUと英国が「移行期間」について暫定合意したことだが、アイルランドとの国境問題を含む離脱協定全体が合意されなければ、「移行期間」に関する合意は無効となる。また、「移行期間」後のEUと英国の関係については、これから交渉が始まるところである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し トランプリスク再来
追加関税で対米貿易摩擦懸念が再燃/欧州経済中期見通し
2026年01月21日
-
2026年の欧州経済見通し
不確実性低下、財政拡張で景気回復ペースは再加速へ
2025年12月23日
-
欧州経済見通し 成長再加速の兆し
景気の下振れリスク緩和でECBの追加利下げ観測は後退
2025年11月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日

