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欧州経済見通し 景気見通しに落ちる影

貿易摩擦とBrexit

2018年03月23日

経済調査部 主席研究員 山崎 加津子

サマリー

◆ユーロ圏経済は天気に例えれば快晴で、2017年年央に消費、投資、輸出がそろって拡大した。2017年末から2018年初めにかけて景気拡大は小休止しているが、急拡大した反動によるスピード調整の期間とみられる。インフレ率は加速しておらず、ECBは「非伝統的な金融緩和」からの出口戦略を段階的に進めていくと予想される。

◆英国経済は薄曇り。Brexit(英国のEU離脱)という難題を抱え、雨になることが懸念されたものの、2017年は輸出と投資の拡大のおかげで持ちこたえた。BOE(英中銀)はインフレを警戒して早期利上げに言及しているが、最新の経済指標はその判断を難しくしている。消費者物価上昇率は2月に前年比+2.7%に減速した一方、賃金上昇率には加速傾向が見られる。BOEは5月に追加利上げを決める可能性が高いと予想されるが、今後の景気指標次第となろう。

◆ユーロ圏と英国に共通する景気下振れリスクは、外部環境の見通しの不透明感である。足下の受注は好調だが、米国とEUの貿易摩擦の高まりが新たな懸念材料となっており、またBrexit交渉は最低限のペースでしか進んでいない。Brexitに関する最新情報はEUと英国が「移行期間」について暫定合意したことだが、アイルランドとの国境問題を含む離脱協定全体が合意されなければ、「移行期間」に関する合意は無効となる。また、「移行期間」後のEUと英国の関係については、これから交渉が始まるところである。

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