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決裂寸前のブレグジット交渉

日本企業はクリフ・エッジに備えよ

2017年09月07日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆8月28日から31日までの第3回のブレグジット協議を終えた記者会見でバルニエEU主席交渉官は、交渉に決定的な進捗が見られないと発言し、難航する交渉に対する不満がEU英国双方で高まっていることをうかがわせた。英国とアイランド間の共通旅行区域など二次的な分野である程度の動きはあったと認めながらも、「手切れ金」やEU市民の権利について信頼関係が構築できていないことが示唆された。


◆また英国政府は第3回以降の交渉のために、将来のEUとの関係性についてのブレグジットの方向性を明らかにした政策文書を7本発表している。EU側は交渉指令案として離脱協議の指針を5月3日に発表していたものの、英国は明確な方針を示していなかったため長く発表が待たれていた。しかし、具体性に欠ける内容に英国側の準備不足は否めない。


◆英国進出日本企業が、最も期待しているのは2019年3月のブレグジット後の移行期間の設置であろう。英国がこれを確保できず、パスポート制を失えば、企業および各業種の規制当局双方にとってより多くのコストや煩雑さが生じる恐れがある。ただ、移行期間の設置は、国民投票からかなりの年数が経過している時点でもEU法の下にあることについて、保守党EU懐疑派議員を納得させる至難の業となる。


◆現欧州議会のブレグジット交渉の調整役であるフェルホフスタット氏は、英国メイ首相が9月21日に演説を行うことで、(ブレグジット交渉に対して)重要な介入を行うと発言した。これにより、交渉に影響を与える可能性があるため、9月18日の週から予定されていた、第4回のブレグジット交渉が延期される可能性があることを示唆している。

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