サマリー
◆2015年9月27日、バルセロナを州都とするスペイン・カタルーニャ州で行われた州議会選挙(総議席135)は即日開票されて、独立支持派選挙連合ジェンツ・パル・シィ(Junts pel Si、英語名Together for Yes)が、62議席を獲得して第1党の座を確保した。また、同じ独立支持派で急進左派の人民連合(CUP)が前回の3議席から10議席と躍進し、独立支持派が合計72議席と過半数を占めた。
◆今回の選挙は当初2016年の予定が、独立問題を主要争点とした“カタルーニャ自治州の独立を問う事実上の住民投票”として前倒しで実施されている。アルトゥール・マス州政府首相は、選挙から18ヶ月後にスペインから一方的にでも独立することを政権公約として掲げている。
◆今回の強硬的な独立の公約に関してEU各国の見方は一様に冷やかである。昨年のスコットランド独立の住民投票時と同様に、通貨や国防など解決すべき課題は山積みであり、現実的にわずか18ヶ月での独立は前途多難であることは周知の事実である。スペイン中央銀行総裁は、カタルーニャが独立した場合は、通貨ユーロの継続使用を認めないとの見解を示しており、独立後の金融市場の道筋も不透明だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 関税議論が一段落
米国による対EUの追加関税率は15%で決着
2025年08月22日
-
4-6月期ユーロ圏GDP かろうじてプラス成長
ドイツ、イタリアがマイナス成長転換も、好調スペインが下支え
2025年07月31日
-
ドイツ経済低迷の背景と、低迷脱却に向けた政策転換
『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日