欧州経済見通し 景況感改善が道しるべ
ユーロ圏では「ドイツとその仲間たち」が先行回復へ
2013年09月19日
サマリー
◆4-6月期のユーロ圏経済は7四半期ぶりに前期比プラス成長となった。個人消費、政府消費、固定資本形成、輸出が揃ってプラス成長となったことが成長に貢献した。企業と消費者の景況感改善が9月まで続いており、今後も景気回復が継続すると見込むが、7月の鉱工業生産は前月比-1.5%と落ち込み、輸出や小売売上高の持ち直しも遅々としている。2013年後半の景気回復ペースはかなり緩やかなものとなろう。
◆ユーロ圏加盟国間では景気回復のペースに差が出てくると予想される。金融危機以降の生産動向と、鉱工業景況感の推移を見ると、今回もドイツ、さらにオランダ、ベルギー、オーストリアなどが回復先行組になりそうである。一方で、フランス、イタリア、スペインは第2陣に、ギリシャはそれよりさらに回復が遅れると予想される。
◆英国経済も4-6月期は内外需がともに牽引したが、今後の景気回復を判断するにあたって注目されるのは個人消費動向である。消費者信頼感は住宅市況の改善を背景に7月、8月に大幅に改善しており、それが7月の小売売上高の伸びを押し上げた。一部に住宅価格上昇によるインフレ懸念が出てきたようだが、その懸念は時期尚早と判断される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2013年09月20日
欧州経済アップデート(2013.9)
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月22日
金融商品の評価
金融商品の価値はどのように算定するのか?
-
2021年01月22日
2020年12月全国消費者物価
コアCPI変化率は約10年ぶりに▲1%台まで下落幅が拡大
-
2021年01月22日
家計の住宅ローンを点検する
近年の動向とコロナショックによる現時点での影響
-
2021年01月21日
2020年12月貿易統計
欧米での経済活動制限による需要減少を受け、輸出は足踏み
-
2021年01月21日
社外取締役に期待される役割の開示~改正会社法施行規則
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く