サマリー
◆4-6月期のユーロ圏経済は7四半期ぶりに前期比プラス成長となった。個人消費、政府消費、固定資本形成、輸出が揃ってプラス成長となったことが成長に貢献した。企業と消費者の景況感改善が9月まで続いており、今後も景気回復が継続すると見込むが、7月の鉱工業生産は前月比-1.5%と落ち込み、輸出や小売売上高の持ち直しも遅々としている。2013年後半の景気回復ペースはかなり緩やかなものとなろう。
◆ユーロ圏加盟国間では景気回復のペースに差が出てくると予想される。金融危機以降の生産動向と、鉱工業景況感の推移を見ると、今回もドイツ、さらにオランダ、ベルギー、オーストリアなどが回復先行組になりそうである。一方で、フランス、イタリア、スペインは第2陣に、ギリシャはそれよりさらに回復が遅れると予想される。
◆英国経済も4-6月期は内外需がともに牽引したが、今後の景気回復を判断するにあたって注目されるのは個人消費動向である。消費者信頼感は住宅市況の改善を背景に7月、8月に大幅に改善しており、それが7月の小売売上高の伸びを押し上げた。一部に住宅価格上昇によるインフレ懸念が出てきたようだが、その懸念は時期尚早と判断される。
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