サマリー
◆ユーロ圏の4-6月期GDP成長率は前期比+0.3%(年率換算+1.1%)と予想を上振れした。内訳は未発表だが、7四半期ぶりのプラス成長には個人消費と政府消費が貢献したと推測される。背景には、失業懸念後退と景気・所得見通し改善を理由とする消費者マインドの持ち直しが存在する。7月の新車登録台数が前年比プラスの伸びに転じるなど、7月以降も個人消費は堅調に推移しているとみられる。
◆ただ、ユーロ圏経済が本格回復するには、輸出拡大が国内投資の回復につながるというもう一つのエンジンが動き出す必要があるが、まだその兆候は限定的である。2013年後半はプラス成長を予想するが、4-6月期と比べて減速すると見込まれる。2013年通年の成長率予想に関しては、4-6月期の成長率上振れを反映させて前回予想の-0.6%から-0.4%に上方修正した。
◆英国の4-6月期GDP成長率は前期比+0.6%(年率換算+2.4%)と、こちらも予想を上振れした。小売売上高が前期比+1.0%と6四半期ぶりの高い伸びを記録しており、英国本来の、個人消費主導の景気回復が継続していると考えられる。2013年通年の成長率予想をこれまでの+0.7%から+1.1%に上方修正する。
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