サマリー
◆2月末の総選挙から2か月を経て、ようやくイタリアで新政権が誕生した。46歳のエンリコ・レッタ首相率いる新政権は、戦後イタリアで初の左派と右派による大連立政権であるだけでなく、閣僚の平均年齢が11歳若返り、また過去最多の7人の女性閣僚を含んでおり、斬新な印象を与えている。レッタ政権成立により、早期の解散・総選挙の可能性は後退した。
◆レッタ政権の最優先課題は景気立て直しと、今回の政局混乱の原因ともなった選挙制度の改革である。大連立政権がイタリアに必要な構造改革を推進できる政権となるのか、あるいは総選挙回避のためだけに集結した寄せ集め政権なのか、遠からず試されることになろう。レッタ首相は所信表明演説で18か月後に成果が出ていなければ退陣することを示唆し、さまざまな改革を急ぐ方針を示している。
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