サマリー
◆9月6日のECB金融政策委員会では、予想された通り国債買取プログラムの刷新計画の具体的な条件が決定された。新しい国債買取プログラムであるOMT発動には、当該国がEFSF/ESMに財政支援を要請し、財政と経済再建のための計画を実行することが条件となる。ECBが購入する国債は残存期間が1年から3年の国債で、国債購入資金はすべて不胎化される。また、ECBは購入した国債に関して優先弁済権を持たないことになった。
◆OMTの目的は、分断されたユーロ圏の金融市場を再び統合し、金融政策がきちんと機能する環境を整えることである。OMTを通じた国債買取金額の上限をあらかじめ定めることはしないとされ、「国債利回りが急上昇しているのに打つ手がない」という状態を解消するためにECBは大きな一歩を踏み出したと言える。ただし、この措置を十分に活用し、ユーロ圏債務危機の解決に貢献させることができるかは、今後の政府サイドの対応にかかってくる。
◆OMTの目的は、分断されたユーロ圏の金融市場を再び統合し、金融政策がきちんと機能する環境を整えることである。OMTを通じた国債買取金額の上限をあらかじめ定めることはしないとされ、「国債利回りが急上昇しているのに打つ手がない」という状態を解消するためにECBは大きな一歩を踏み出したと言える。ただし、この措置を十分に活用し、ユーロ圏債務危機の解決に貢献させることができるかは、今後の政府サイドの対応にかかってくる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 対米通商交渉に一喜一憂
米英合意、米中間の関税引き下げは朗報、EUの交渉は楽観視できず
2025年05月23日
-
1-3月期ユーロ圏GDP 成長ペースは再加速
市場予想を上回る良好な結果、ただし先行きは減速へ
2025年05月01日
-
欧州経済見通し 相互関税で悲観が広がる
対米輸出の低迷に加え、対中輸出減・輸入増も懸念材料
2025年04月23日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日