サマリー
◆ギリシャの再選挙、スペイン銀行部門の資本不足問題で金融市場が大きく揺れる中、景気見通しに関しても不透明感が一段と増している。ユーロ圏で例外的に強気の景気見通しを維持してきたドイツでも5月以降、景況感が悪化している。
◆6月17日のギリシャの再選挙は、緊縮財政政策の継続を訴えた2政党が過半数の議席を確保し、最悪の事態は回避された。ただし、ギリシャの財政と経済の再建が約束されているわけではない。すでに市場の懸念はスペインに移っているが、6月末までの一連の政治日程の中で、銀行同盟を初めとする欧州統合を通じた救済策をどこまで具体化できるか注目される。
◆銀行同盟等が実現に向けて動き出すことになれば、それまでの時間稼ぎの対応策という意味でも、ECBによるスペイン国債購入や銀行部門への資金供給、さらには利下げが即効性のある対策として実行されるのではないかとみている。
◆6月17日のギリシャの再選挙は、緊縮財政政策の継続を訴えた2政党が過半数の議席を確保し、最悪の事態は回避された。ただし、ギリシャの財政と経済の再建が約束されているわけではない。すでに市場の懸念はスペインに移っているが、6月末までの一連の政治日程の中で、銀行同盟を初めとする欧州統合を通じた救済策をどこまで具体化できるか注目される。
◆銀行同盟等が実現に向けて動き出すことになれば、それまでの時間稼ぎの対応策という意味でも、ECBによるスペイン国債購入や銀行部門への資金供給、さらには利下げが即効性のある対策として実行されるのではないかとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
1-3月期ユーロ圏GDP 成長ペースは再加速
市場予想を上回る良好な結果、ただし先行きは減速へ
2025年05月01日
-
欧州経済見通し 相互関税で悲観が広がる
対米輸出の低迷に加え、対中輸出減・輸入増も懸念材料
2025年04月23日
-
欧州経済見通し 「トランプ」が欧州連帯を促す
貿易摩擦激化の可能性が高まる一方、国防費の増加議論が急展開
2025年03月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日